踊るセクマイ御殿

おなべ芸人うしろまえちゃん(前田かずのしん)が様々なセクシャルマイノリティ情報をお届けします!

心と体の不一致はこうして起こる!!性同一性障害の原因

こんにちは~(^^♪

 

幼いころから自分の別に違和感を感じ

体の性と心の性が一致しないことに行き場のない生き辛さを抱え

最終的に、自分の心の性別に一致した体を手にしたいと強く願う・・・

 

こういった人たちのことを性同一性障害と言います。

 

と言っても、性同一性障害の人たち全員が最終的に性転換を望むか、というと

一概にそういうわけではないのです。

 

”レベル”という言い方はあまり好ましくないかもしれませんが

最終的にどのような状態になれば性別違和から解消され、そのストレスを感じずに生きられるのか、という終着点から大きく3つに分類分けすることができます。

 

まず、トランスヴェスタイトと言われる人たちです。

このようなひとたちは異性装嗜好者(いせいそうしこうしゃ)とも呼ばれ、男性で女装をすると気が休まり、その逆、女性で男装すると気分が落ち着き、本来の姿に戻ったような安心感を得ることができます。

 

また、トランスジェンダーと呼ばれる人たちもいます。

このような人たちは、異性の服装をするだけでは落ち着きや安心感は得られず、社会的にも異性として扱われ、異性としての役割を果たしたいと強く願います。

男性の場合、女装し、女性でなければできない仕事を欲し、女性ホルモンを投与したり、手術で乳房を形成したりします。女性の場合も同じで、男装し男性ホルモンを投与したり乳房切除をしたりして、男性としての仕事を望みます。

しかし、男女ともに性器まで変えようとする意識(性別適合手術への願望)は強くありません。

 

上記のトランスジェンダーからさらに進んだ形で、完全に異性の体(心と一致した体)への変更を望むのが、トランスセクシャルと呼ばれる人たちです。

男性の場合、乳房を付け、ペニスを取り、精巣からの男性ホルモンを断ち切り、女性ホルモンの投与を受けます。女性の場合も同じです。乳房を取り、女性ホルモンを分泌する卵巣を摘出し、ペニスを付けて、肉体的に完全に男にならなければ精神的な安らぎを得られないのです。

 

上記の例をすべてひとまとめにし、総称としてトランスジェンダーという言葉で表す場合もあります。

 

このように性同一性障害と一言で言っても、様々な段階の人がいるのです。

その他、LGBTの分類に関してはこちらを参考にしてみてください(/・ω・)/

sekumai-goten.hatenablog.com

 

 

さて、性同一性障害を3つに分けることができるとお話ししましたが

上記で説明したトランスヴェスタイトトランスジェンダートランスセクシャル

どれにおいても共通するのは、『性別に対する違和感』を抱えているということ。

 

ではなぜ、このように「心と体の性別の不一致」が生まれてしまうのでしょうか?

前置きが長くなりましたが、今回は性同一性障害になり得る原因について書いていきたいと思います。

 

どうして性同一性障害になるの?

体内で受精した後の胚(赤ちゃんの原型)は、7週までは生物学的にまだ未分化で、どちらの性でもない状態・男女どちらにもなれる状態にあります。

この時期を『性的両能期』と呼びます。

性的両能期の頃の赤ちゃんの体では、各器官の原型のようなものは作られているものの、性腺はまだ男女に分化していません。

男女の生殖器の元となる、ミュラー管(女性用)・ウォルフ管(男性用)は男女ともにその両方が左右一対ずつ準備されています。

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この段階ではもちろん、脳も外性器も男女に分化はされていません。

 

この期間を経て、受精後8週目を過ぎてから本格的に分化が始まります。

 

男性の遺伝子、XY染色体を持った赤ちゃんはY染色体の精巣決定遺伝子の働きにより睾丸が形成され、精巣から男性ホルモンを分泌し始めます。

これ以前の胚は、母体の血液から送られる女性ホルモンにさらされている状態にありましたが、赤ちゃん自身の体内から男性ホルモンを分泌するようになると、性的両能期に備わっていた女性用のミュラー管を退化させ、男性用のウォルフ管を発達させます。

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こうして、10週目を迎えるころには、ペニスなどの外性器が作られていくのです。

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一方、女性の遺伝子XX染色体を持った赤ちゃんは、これより少し遅れて分化していきます。

男の赤ちゃんの分化がほぼ終わった11週目になって、性腺の分化、卵巣の形成、子宮や膣の形成が行われていきます。

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外性器はさらに後の20週目になってから形成されます。

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画像引用元:生物学的性別の分化

 

こうした分化を経て、身体的な性別が決定されたあと、次は脳の性分化が始まります。

 身体的性分化を終え、形成された睾丸から分泌される男性ホルモンのシャワーを浴びた脳は、男性の脳へと決定されていき、その男性ホルモンシャワーを浴びなければ、女性の脳になるというわけです。

 

ここが、性同一性障害になり得る原因だと言われています。

 

身体的性分化により、体が男性へと決定されても、何らかの原因で男性ホルモンが十分に分泌されず、脳がシャワーを浴びることが出来なければ、男性脳へときちんと性分化されない状態が生まれてしまうのです。

逆もしかり、体が女性へと決定されたあとに、何らかのホルモン異常や何かしらのちょっとした欠陥・ズレが生じることによって、男性の脳を持ってしまう場合があります。

 

こういった状況になるにあたって、妊娠中に、母体に強いストレスが加わった場合などにホルモンバランスが崩れ、赤ちゃんに影響するのではないかと考えられています。

 

 

実際に性同一性障害である僕が、母のお腹の中にいた頃の話を直接聞いてみたところ

当時母は、妹の離婚騒動や姑とのトラブルでかなり考え込むことやストレスを感じることが多かったと言います。

 

妊娠中このようなトラブルに遭遇しても、心体一致した子供を生まれた方はもちろんたくさんいらっしゃると思います。

 ストレスの感じ方は人それぞれですので、一概にどれだけのストレスがかかれば性同一性障害の子供が生まれてくるのかははっきりとはわかりません。

 

性同一性障害はなぜ生まれるのか?

 

すべて完璧にマニュアルどうりに進むことは、いかなる場合においても絶対ではありません。

性別の決定に関しても、お腹の中で様々な不確定な要因にさらされて、ちょっとしたズレや欠陥、タイミングの遅れなどにより、身体と精神の不一致が生じてしまうということが起こり得るということなのです。

 

 

まとめ

僕は母にカミングアウトしていますし、十分すぎるほどの理解と応援もしてもらっています。

性同一性障害をなり得る原因を初めて知ったとき、母は僕に「ごめんね」と言いながら涙を流しました。

でも僕は、母を恨んだことは一度もありませんし、同じ性同一性障害の皆さんもきっとそうだと思います。

恨む理由なんて1つもありません。

性同一性障害として生まれてくることなんて、誰も予測はできませんし、阻止することもできないのかもしれません。

そのように生まれてしまった事実を悔やむより、どう前を向いて生きるかだと思っています。

様々な環境に置かれているFTMMTFの方がいらっしゃると思いますが、どうか前を向いて、みんなが笑顔で過ごせるような世界になることを祈っています。

 

参考書籍

 性同一性障害―性転換の朝(あした) : 吉永 みち子

 

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